2026.04.14

Percona

Percona Monitoring and Management (PMM) 3.7.0(リリース日:2026年4月1日)

リリース概要

PMM 3.7.0では、MongoDB向けのリアルタイムクエリ分析(RTA)が導入され、Percona Platformの削除が完了し、その場でMongoDBエージェントを更新するためのpmm-admin inventory change agentコマンドが追加されました。

今回のリリースでは、PMM Clientの設定ファイルの暗号化(オプション)、コンポーネントのアップグレード、セキュリティ修正、ダッシュボードの改善、および、QAN、アラート、監視に関する複数のバグ修正も含まれています。

リリースハイライト

MongoDB向けのリアルタイムクエリ分析(RTA)

PMM 3.7.0では、データベース上で現在何が起こっているかを正確に把握できる新しい方法であるRTAが導入されました。

Query Analytics(QAN)は、パフォーマンスのレビューと最適化のためにクエリが完了した後にクエリを保存しますが、RTAはクエリの実行状況を表示します。つまり、データベースに問題が発生した場合、何がその問題を引き起こしているのかをすぐに特定できるということです。

1~5秒ごとに更新されるライブストリームにより、RTAは実行時間の長いクエリの特定、ロック競合の識別、問題のある操作の調査をリアルタイムで行うことができます。ストリームを一時停止したり、クラスターやサービスでフィルタリングしたり、より詳細なトラブルシューティングのために生のMongoDB診断情報にアクセスしたりできます。

開始するには、Query Analytics > Real-Timeに移動し、MongoDBサービスを選択してください。

RTAは現在、MongoDBのみをサポートしています。MySQLとPostgreSQLのサポートは今後のリリースで予定されています。

RTAの操作方法については、Real-time Query Analyticsを参照してください。プログラムによるアクセスについては、Real-time Analytics APIを参照してください。

MySQL Replication Summaryダッシュボードの改善

Replication DelayとRelay Log Spaceのパネルに、時系列データがそれぞれ異なる色で表示されるようになり、凡例にサービス名が追加されました。これにより、マルチソースレプリケーションの設定をより簡単に監視できるようになりました。

コマンドラインからその場でMongoDBの監視設定を変更する

コマンドラインからサービスを管理する時、エージェント設定を変更するためだけにサービスを削除して再追加する必要はなくなりました。

PMM 3.7.0では、実行中のエージェントの設定をIDで直接更新できるpmm-admin inventory change agentコマンドが導入されました。渡されたフラグのみが更新され、変更は監視の空白期間なしに即座に反映されます。

サポートされているフラグ、エージェントの種類、および使用例の完全なリストについては、pmm-admin inventory change agentを参照してください。

pmm-admin inventory change agentコマンドは、現在、MongoDBエージェントタイプ (mongodb-exporter、mongodb-profiler-agent、qan-mongodb-profiler-agent、rta-mongodb-agent) のみをサポートしています。その他のエージェントの種類への対応は、今後のリリースで予定されています。追加のエージェントタイプのサポートは、今後のリリースで予定されています。

PMM Client設定ファイルの暗号化

PMM Client設定ファイル(pmm-agent.yaml)を暗号化することで、サーバーパスワードやAPIトークンなどの機密性の高い認証情報をディスク上で保護できるようになりました。

暗号化を有効にするためには、RSA秘密鍵を生成し、セットアップ時にそれをPMM Clientに渡してください。PMM Clientは暗号化と復号化を自動的に処理します。暗号化鍵を使用していない既存のデプロイメントは、これまでどおり引き続き動作します。

セットアップ手順については、PMM Client configuration file encryptionを参照してください。

Percona Platformとの接続が削除されました

PMM 3.5.0でお知らせしたとおり、Percona Platformサービスは終了しました。

PMM 3.7.0では、UIおよびAPIにおいてPercona Platformとの接続はなくなりました。アドバイザーとアラートテンプレートはPMMに直接同梱されるようになったため、すべてはこれまでとまったく同じように動作します。ただし、プラットフォーム関連のオプションは表示されなくなります。

また、お使いのPerconaアカウントを使用してPMMにサインインすることもできなくなります。このログイン方法を使用していた場合は、基本認証、LDAP、OAuth、SAMLなどの別の認証方法に切り替えてください。

サポートの追加と非推奨

UIからのPMM Serverアップグレードは非推奨になりました

PMM 3.9.0 (2026年7月リリース予定) 以降、WebインターフェイスからPMM Serverをアップグレードすることはできなくなります。

PMM 3.9.0にアップグレードする前に、以下のいずれかのサポートされているアップグレード方法に切り替えてください:

  • Dockerアップグレード (推奨): 最新のイメージをプルしてコンテナを再起動する
  • Podmanアップグレード: ルートレス実行による同様のコンテナワークフロー
  • Helmアップグレード: Kubernetesネイティブのアップグレードパス

OVF仮想アプライアンスイメージは非推奨になりました

PMM Server OVF仮想アプライアンスイメージは非推奨となり、PMM 3.9.0(2026年7月リリース予定)以降は利用できなくなります。

既存のOVFベースのデプロイメントは引き続き動作しますが、PMM 3.9.0以降は新しいOVAイメージは利用できなくなります。それまでに、サポートされているデプロイメント方法に移行してください:

  • Docker(推奨):デプロイメントとアップデートが簡素化されます
  • Podman:セキュリティが強化されたルートレスコンテナ実行
  • Kubernetes/Helm:スケーラブルなコンテナオーケストレーション

PMM 2.xからの直接移行は非推奨となります

PMM 2.xをまだご利用中の場合は、今すぐ移行してください。PMM 3.8.0以降、最新のPMM 3.xバージョンへの直接移行は非推奨となり、期待どおりに動作しない可能性があります。

PMM 3.8.0以降に移行して問題が発生した場合でも、PMM 3.7.0を移行の足がかりとして使用できます。これは、PMM 2.xからの移行を完全にテストした最後のバージョンだからです:

PMM 2.x > PMM 3.7.0 > latest PMM version

ただし、この2段階の移行方法はPMM 3.12.xまでしか利用できません。PMM 3.13.0(2027年1月リリース予定)以降は、PMM 2.xからの移行は一切できなくなります。

まだPMM 2.xを使用している場合は、今すぐPMM 2からPMM 3に移行してください。

コンポーネントのアップグレード

  • VictoriaMetrics:v1.114.0からv1.138.0にアップグレードしました。クエリパフォーマンスの向上のため、パーティションごとのインデックスサポートを追加しました。また、上流の改善とバグ修正も行いました。
  • Grafana:セキュリティ脆弱性に対処するため、11.6.13にアップグレードしました。
  • Nomad:セキュリティ脆弱性に対処するため、1.11.3にアップグレードしました。

セキュリティアップデート

PMM 3.7.0では、以下のセキュリティ脆弱性が修正されています:

内部データソースを介した認証済みリモートコード実行 (CVE-2026-25212)

認証済みユーザーが内部PostgreSQLデータソースを介してPMM Server上でOSコマンドを実行できる脆弱性が修正されました。

Go標準ライブラリの脆弱性

以下の脆弱性に対処するため、Goの依存関係を更新しました:

  • 予期しないTLSセッション再開(CVE-2025-68121)
    TLSサーバーがセッションを誤って再開する可能性があり、クライアントが証明書要件を回避できる恐れがありました。この問題は修正されました。
  • 細工されたクエリパラメータによるメモリ枯渇(CVE-2025-61726)
    net/url内の細工されたクエリパラメータにより、過剰なメモリ割り当てが発生し、サービス拒否につながる可能性がありました。この問題は修正されました。
  • 細工されたzipアーカイブによるCPU枯渇(CVE-2025-61728)
    特別に細工されたzipアーカイブのインデックス作成時に、過剰なCPUが消費される可能性がありました。この問題は修正されました。

IPv6ホスト名の解析が正しくない(CVE-2025-61729)

URL内の不正なIPv6リテラルが誤って解析され、ホスト検証が回避される可能性がなくなりました。

改善点

  • PMM-13788: PMM Client設定ファイル(pmm-agent.yaml)に、保存されている認証情報とAPIトークンを保護するためのオプションの暗号化機能を追加しました。詳細は、Encrypt the PMM Client configuration fileを参照してください。
  • PMM-14831: MongoDBがバックアップまたはメンテナンスのためにロックされているかどうかを検出するメトリック mongodb_currentop_fsync_lock_stateを追加しました。ロックされている場合は1、ロックされていない場合は0を返します。サービスを追加する時は--enable-all-collectorsオプションで有効にしてください。Exploreでクエリを実行するか、カスタムダッシュボードやアラートで使用できます。
  • PMM-14412: サービスを削除して再追加することなくMongoDBエージェント設定を更新するためのpmm-admin inventory change agentコマンドを追加しました。
  • PMM-14722: 16GB未満のRAMを搭載したPMM Server環境向けに、低メモリのClickHouse設定を追加しました。ClickHouseログに“memory limit exceeded”エラーが表示される場合、またはQANの操作時にパフォーマンスの問題が発生する場合は、switch-config.shスクリプトを使用して最適化された設定に切り替えることができます。詳細については、ClickHouse memory issuesを参照してください。
  • PMM-14818: 多数のデータベースを持つPostgreSQLインスタンス(マルチテナント設計)のパフォーマンスが向上しました。pg_custom_database_size_customクエリは、高解像度(5秒)ではなく、低解像度(デフォルトで60秒)で実行されるようになりました。これにより、数百のデータベースを持つサーバーのCPU使用率が大幅に削減されます。
  • PMM-759: MySQL Replication SummaryダッシュボードのReplication DelayとRelay Log Spaceのパネルを改善しました。
  • PMM-14700: アドバイザーチェックは、インベントリに存在するデータベースタイプに対してのみ実行されるようになりました。以前は、実際の設定に関係なくすべてのチェックが実行されました。例えば、PostgreSQLサービスのみが構成されている場合、MongoDBのチェックは実行されなくなります。これにより、結果に集中でき、リソースの使用量を削減できます。
  • PMM-14824: Percona Platformのサポート終了に伴い、/v1/platform:connect APIエンドポイントを削除しました。このエンドポイントへのリクエストは404を返します。
  • PMM-14899: アドバイザーとアラートテンプレートは、テレメトリを有効にする必要がなくなりました。これらはPMMにバンドルされているため、テレメトリが無効になっている場合でも動作します。アドバイザーの切り替えスイッチは、Advanced SettingsのExecution intervalsセクションに移動しました。
  • PMM-14527: Aurora PostgreSQLのサポートを改善しました。PMMは、Auroraで利用できない関数を使用するレプリケーションコレクターをスキップするようになり、エクスポーターエラーや誤ったアラートを防ぎます。
  • PMM-14511: Query Analyticsのレイアウトを改善し、利用可能な画面スペースをより有効に活用できるようにしました。クエリテーブルが利用可能な領域全体に表示されるようになり、クエリの詳細を表示している時にもページネーションが表示された状態を維持します。
  • PMM-14363: Disk Detailsダッシュボードのマウントポイントは、バイトではなくギガバイト(GB)で表示されるようになりました。これにより、大きな値の読み取りと解釈が容易になります。

修正された問題

  • PMM-14267: pmm-agentを再起動すると、PMMがRDSメトリクスの収集を停止していました。エージェントを再起動しても、メトリクスの収集が中断されなくなりました。
  • PMM-14376: PMM inventoryからサービスまたはノードを削除した後もアラートが継続的に発生する問題を修正しました。アラートはトリガー前にインベントリを正しくチェックするようになり、誤検知が防止されます。
  • PMM-14790: MongoDB Replset Summaryダッシュボードを修正し、Allを選択した場合に、Operation Latencies、Query Efficiency、Queued Operations、Read & Writes、Average Connectionsのパネルにサービス名別にデータが分類されて表示されるようになりました。
  • PMM-9602: 管理者以外のユーザーでProxySQLを監視する時に発生するruntime_mysql_serversの収集エラーを修正しました。PMMは、ユーザーに必要な権限がない場合、ランタイムサーバーのメトリクス収集をスキップするようになりました。
  • PMM-14549: MySQL MyRocks Detailsダッシュボードで、各メトリックシリーズを識別するラベルが欠落していた複数のパネルを修正しました。
  • PMM-14822: Grafanaの匿名アクセス(grafana.iniのauth.anonymous)が有効になっている場合に発生していたナビゲーションの問題(メニュー項目の欠落や検索バーの不整合など)を修正しました。
  • PMM-14686: mysqld_exporterで/debug/pprof/エンドポイントにアクセスした時に、PMM が404エラーを返していました。この問題は修正され、デバッグのためにエクスポーターからパフォーマンスプロファイリングデータを収集できるようになりました。詳細は、Exporter issuesを参照してください。
  • PMM-14874: 以前は意図されたURLを開く代わりに空白ページを表示していた、いくつかのダッシュボード (Valkey Overview、MySQL Query Response Time Details、MySQL Table Details、MySQL User Details、Experimentalダッシュボード) の外部リンクを修正しました。
  • PMM-14843: ダッシュボードパネルから画像を生成する時に発生していた“Failed to render panel image”というエラーを修正しました。パネルメニューのShare > Generate imageオプションが、Grafana画像レンダリングプラグインと正しく連携するようになりました。
  • PMM-14833: tiersフィールドを含むアラートテンプレートの保存エラーを修正しました。tiersフィールドはPercona Platformとの統合機能の一部でしたが、PMM 3.6.0でPlatformとの接続機能が削除された後、動作しなくなりました。テンプレートは正しく保存されるようになりました。このフィールドは受け入れられますが無視され、PMM v4で削除されます。
  • PMM-14761: Query Analyticsにおいて、ページを開いた時や更新した時に重複したAPIリクエストがトリガーされる問題を修正しました。これにより、サーバー負荷が軽減され、応答時間が改善されます。
  • PMM-14566: PMM 3におけるQuery Analyticsの読み込み速度がPMM 2よりも著しく遅い問題を修正しました。
  • PMM-14512: PMM 2.xから3.xにアップグレードした後、InnoDB Buffer PoolダッシュボードのBP Data Dirtyパネルにデータが表示されない問題を修正しました。
  • PMM-12478: 外部サービスが、正常に動作しているにもかかわらず、PMM Inventoryで監視ステータスを誤ってFailedと表示する問題を修正しました。
  • PMM-14801: GCP Cloud SQL PostgreSQL 13および14インスタンスを監視する時に発生するPostgreSQLエクスポーターのクラッシュを修正しました。

Percona Monitoring and Management (PMM) 3.7.0 リリース情報(Percona社ウェブサイト):
https://docs.percona.com/percona-monitoring-and-management/3/release-notes/3.7.0.html


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