2017.10.17

MySQL

MySQL Community Server 5.6.38がリリースされました

オリジナル版:https://dev.mysql.com/doc/relnotes/mysql/5.6/en/news-5-6-38.html

2017年4月10日に、MySQL Community Server 5.6.38がリリースされました。同製品は、General Availability(GA版)となります。

Changes in MySQL 5.6.38(主な変更点)

Packaging Notes(パッケージ関連)

* mysqlcheck was missing in the MySQL Server Docker image, which prevented mysql_upgrade
  from running. (Bug #26400146, Bug #86968)
  
  mysqlupgradeコマンドが実行されていなかったため、MySQL ServerのDockerイメージに
  mysqlcheckコマンドが存在しなかった不具合を修正しました。


Bugs Fixed(バグ修正)

* InnoDB: Replication lag occurred on slave instances during large update operations on 
  tables with many partitions. (Bug #25687813, Bug #85352)

  【InnoDB関連】多くのパーティションが存在するテーブルに対して大きな更新処理をかけた時に
  スレーブ上でレプリケーション遅延が発生する不具合を修正しました。

* InnoDB: A failure occurred during an end range comparison. (Bug #25669686)

  【InnoDB関連】終了範囲の比較を行っている最中にエラーが発生する不具合を修正しました。
   
* InnoDB: Enabling the innodb_buffer_pool_load_now setting failed in readonly mode.
  The event that signals the buffer pool load thread was not initialized. (Bug #25586766)

  read_onlyの状態で、innodb_buffer_pool_load_nowを有効にするとエラーが発生します。
  buffer_pool のロードスレッドが初期化されていないことが原因です。

* InnoDB: A long wait for a dictionary operation lock held by a full-text search 
  synchronization operation caused a server exit. (Bug #24938374)
  
  【InnoDB関連】全文検索の同期処理によって発生するディレクトリのロック待ちが長期に渡ると、
  サーバでエラーとなる不具合を修正しました。

* Partitioning: Queries involving NULL were not always handled correctly on tables 
  that were partitioned by LIST. (Bug #76418, Bug #20748521)
  References: See also: Bug #86255, Bug #26034430.

  【Partitioning関連】LIST型のパーティションが設定されたテーブルに対して NULL が含まれた
  クエリを実行すると正しく処理されない場合がある不具合を修正しました。

* Replication: Replication clients no longer enable LOCAL capability for LOAD DATA 
  statements, because they do not use LOAD DATA LOCAL statements. (Bug #24763131)
  
  【Replication関連】レプリケーションクライアントは、LOAD DATA LOCALステートメントを
  使わなくなったため、LOAD DATAステートメントに対して LOCAL 句を付けられなくなりました。

* Replication: In case of a failure while creating multiple slave applier worker threads,
  some threads would be left orphaned and their resources would not be collected.
  Thanks to Laurynas Biveinis for his contribution to fixing this bug. (Bug #24679056, Bug #82980)

  【Replication関連】複数のスレーブのworkerスレッドを作成中にエラーが発生すると、
  いくつかのスレッドが孤立してしまい、リソースが収集されない問題が発生しました。
  Laurynas Biveinis氏の協力のおかげで、このバグは修正できました。

* MSI packages for Windows failed to detect when Microsoft Visual C++ 2010 Redistributable 
  Package was installed. (Bug #26501092, Bug #87139)

  Microsoft Visual C++ 2010 Redistributableパッケージがインストールされていると、
  Windows向けのMSIインストーラが失敗する不具合を修正しました。

* The server failed to check the maximum path length for partition names. (Bug #26390632)
  
  パターン名におけるパスの最大長の検査に失敗する不具合を修正しました。

* Identifiers containing a mixture of backslashes and backticks could be parsed 
  incorrectly. (Bug #26372491)

  バックスラッシュとバッククォートが織り交ざった識別子が正しくパースできない不具合を
  修正しました。

* Uninstalling the daemon_memcached plugin caused a serious error. (Bug #25909540)

  daemon_memcachedをアンインストールすると深刻なエラーが発生してしまう不具合を
  修正しました。

* The Performance Schema failed to check the maximum host length for client 
  connections. (Bug #25510805)

  Performance Schema がクライアントのホスト名の最大長検査に失敗する不具合を修正しました。

* If a stored function was considered a constant by the optimizer, calling it from 
  a subquery in a NOT IN condition in the WHERE clause could cause a server exit. 
  (Bug #23577867)

  ストアドファンクションがオプティマイザに定数と判断された場合、WHERE条件に含まれる
  NOT IN句内のサブクエリとしてファンクションが実行されるとサーバがエラーとなる不具合を
  修正しました。

* If a session rolled back to a savepoint and then was killed, the statements up to 
  the point of the savepoint could be committed. (Bug #22350047, Bug #79596)

  セッションがセーブポイントまでロールバックし、キルされた場合、セーブポイント地点
  までに実行されたステートメントがコミットされることがありました。

上記以外にも、さまざまな変更やバグ修正が行われています。
それらを全て確認する場合は、下記リリースノートを参照して下さい。

http://dev.mysql.com/doc/relnotes/mysql/5.6/en/news-5-6-38.html

MySQL5.6は、世界的に注目されているオープンソースデータベース「MySQL」の1つ前の開発バージョンです(最新はMySQL5.7となります)。MySQL5.5の後継バージョンにあたり、様々な機能や特徴があります。

・セキュリティ機能の向上(mysql_config_editorの実装、SHA-256のサポート)
・InnoDB、オプティマイザ、レプリケーション、パーティショニングの性能向上 
・GTID(Global Transaction ID)の実装 
・Performance_schemaの機能強化 
・オンラインDDLの実装

MySQL5.6には、上記以外にも様々な特徴があります。詳細については、下記URLを参照してください。

https://dev.mysql.com/doc/refman/5.6/en/mysql-nutshell.html

新たなサーバにMySQL5.6をインストール、または利用中のMySQLからMySQL5.6にアップグレードする際の情報については、以下を参照してください。

http://dev.mysql.com/downloads/mysql/

その他、ご不明な点がございましたら、以下の公式リファレンスマニュアルをご利用いただけます。

http://dev.mysql.com/doc/refman/5.6/en/

以上