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MariaDB Enterprise Server 10.4.11-5 / ColumnStore 1.4 リリース

本記事は MariaDB Corporation より寄稿された記事となります

はじめに

2020-01-06 に MariaDB Enterprise Server 10.4.11-5 がリリースされました。

Release Notes for MariaDB Enterprise Server 10.4.11-5

大きな変更点としましては,これまで別パッケージで提供されていた MariaDB ColumnStore が MariaDB Enterprise Server パッケージに含まれるようになりました。

MariaDB ColumnStore, a columnar storage engine, is now included with MariaDB Enterprise Server 10.4.

今回は MariaDB Enterprise Server 10.4.11-5 / ColumnStore 1.4 のインストール手順の解説を行いたいと思います。

テスト環境

  • CentOS 7.7.1908
  • MariaDB Enterprise Server 10.4.11-5 / ColumnStore 1.4.2

なお,CentOS 7 用シングルノード構成のインストール手順は以下のドキュメントに解説されています。

Single Server with ES 10.4 on CentOS 7

yum レポジトリ設定

MariaDB Enterprise Server 用のレポジトリ設定を行います。MariaDB Platform サブスクリプション契約をされていない場合,https://customers.mariadb.com/downloads/token/ から Customer Access Token が取得できませんので,インストールはできません。

customer_access_token は御社用に提供される Customer Download Token に置き換えてください。

ColumnStore 1.4 インストール

Enterprise Server 10.4.11-5 から新規に MariaDB-columnstore-* パッケージが追加されています。

RPM パッケージインストール完了後,root 権限で columnstore-post-install を実行します。

postConfigure を実行するよう,促されますので 1.2以前のColumnStore同様,root 権限で postConfigure を実行します。
(-qs オプションは quick single の意味です)

~/.bashrc 等に ColumnStore 用の alias を設定する /etc/profile.d/columnstoreAlias.sh を読み込むよう設定しておきます。

mcsadmin getSystemInfo によるシステム情報の確認

Status がすべて ACTIVE となっていれば,問題なく ColumnStore システムは稼働しています。

getSoftwareInfo で ColumnStore のバージョンを確認することができます。

flights サンプルデータのインポート,クエリ実行

GitHub で公開されている ColumnStore 用サンプルデータのうち,flights をインポート,クエリを実行してみます。
まずレポジトリをクローンします。

MariaDB Enterprise Server に統合されたことにより,ColumnStore 関連ファイルのディレクトリ構成などが変更されているため,create_flights_db.sh, load_flight_data.sh を以下のように変更します(get_flight_data.shは変更不要)。

create_flights_db.sh

load_flight_data.sh

以下の順番で root ユーザで各シェルスクリプトを実行します。

./get_flight_data.sh は https://www.transtats.bts.gov/ からデータを取得するため,日本からダウンロードする場合かなり時間がかかります。

3つのシェルスクリプトがエラーなく実行できましたら,queries ディレクトリにある,サンプルクエリ(2018_airline_summary.sql)を実行します。

上記のような実行結果となれば正常にサンプルデータがインポートできています。

まとめ

バージョン 1.4 から MariaDB Enterprise Server 10.4 に統合された,ColumnStore のインストール手順について解説させて頂きました。よりシームレスに MariaDB Enterprise Server (InnoDB等) と ColumnStore の機能を利用できるようになっているかと存じます。


執筆者情報

後藤 智(GOTO Satoru)
2017年6月よりMariaDB CorporationにてAPAC(Asia Pacific)地域におけるプリセールス業務を主に担当。現在は主に日本を担当。
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