スマートスタイル TECH BLOG

データベース&クラウド技術情報

MariaDB ColumnStore 1ステップ クイック インストーラ

本記事はMariaDB Corporation Abより寄稿された記事となります

はじめに

2018年12月3日に MariaDB の列指向データベース ColumnStore の新バージョン1.2 がGAとなりました。

MariaDB ColumnStore 1.2.2 GA リリースノート

今回はバージョン1.2の新機能の一つ,1ステップ クイック インストーラについて解説いたします。

ColumnStore 1ステップ クイック インストーラ

MariaDB ColumnStore のインストールを行う際,従来はrpm/debパッケージをOSのパッケージマネージャ(yum/apt等)でインストールした後に postConfigure ツールで対話的に初期設定を行っていましたが,1.1.6以降のバージョンではコマンドひとつでシングルノード/マルチノード構成の初期設定が可能となっております。

MariaDB ColumnStore One Step Quick Installer Script

今回は複数ノード(separated)構成でクイックインストールを行います。

CentOS 7上で 2UM x 2PM構成のクイックインストール

テスト環境として以下のものを用意します。今回はUMとPMが分離した構成とします。

モジュール IPアドレス
um1 192.168.2.111
um2 192.168.2.112
pm1 192.168.2.121
pm2 192.168.2.122

事前準備

以下のページを参考に以下の作業を各ノードで行います。

Preparing for ColumnStore Installation – 1.2.0

  • SELinux/firewalldの無効化
  • 依存ライブラリのインストール
  • 各ノードで相互にパスワードなしログイン可能

作業の詳細はこちらの過去記事に解説されておりますので,今回は割愛させて頂きます。

MariaDB ColumnStore を複数ノードで動かす

pm1 への MariaDB ColumnStore 1.2.2 のインストール

rpmパッケージのインストールは,rpm tarball, mariadb-columnstore-1.2.2-1-centos7.x86_64.rpm.tar.gzをダウンロード,展開し

で行う方法と,yumレポジトリを設定し,

Installing MariaDB AX / MariaDB ColumnStore from the Package Repositories – 1.2.X

以下のように yum groupinstall で行う方法があります。

クイックインストーラ実行前の事前準備の確認を pm1 へのColumnStore インストール後,以下のスクリプトで行うことができます。

MariaDB ColumnStore Cluster Test Tool

pm1 ノードでの columnstoreClusterTester.sh 実行結果

all Tests Passed となっていますので,pm1の事前準備は完了しています。

pm1 からリモートの pm2 に対するチェックは –ipaddr オプションでIPアドレスを指定します。

pm2 の事前準備は問題ないことが確認できました。um1/um2に対しても同様のチェックを行います。

マルチサーバ クイック インストーラの実行

今回は pm1 にのみ手動で MariaDB ColumnStore の各 RPM のインストールを実施し,以下のように–dist-install オプションを指定,UM/PMの各ノードのIPアドレスを列挙,リモートノードへのRPMコピー,インストールを自動で行います。

なお,クイックインストーラ実行時に,pm1 の /root に mariadb-columnstore-1.2.2-1-centos7.x86_64.rpm.tar.gz を展開した状態になっている必要があります。
RPMが存在しない場合,以下のエラーメッセージが表示され,インストールが異常終了します。

インストールが正常に完了した場合は以下のようなメッセージが表示されます。

異常終了した場合は各ノードの以下のログファイルにログが記録されておりますので参照することをおすすめ致します。

mcsadmin getSystemStatus によるステータス確認

MariaDB ColumnStore の管理ツール,mcsadmin(ma) のサブコマンド getSystemStatus では各ノードの稼働状態を確認することができます。

なお,ma は mcsadmin のaliasです。
getSystemInfo では,getSystemStatus の出力に加え,各モジュールの各プロセスの状態を確認することができます。

まとめ

MariaDB ColumnStore 1.2.2 GA の複数ノードへのインストールを1ステップクイックインストーラを用いて行いました。各ノードにおける事前準備が整っていない場合に,従来の postConfigure では何度も対話的に同じ入力を行わざるをえない場合がありましたが,よりインストール作業の省力化が可能となりました。


執筆者情報

後藤 智(GOTO Satoru)
2017年6月よりMariaDB Corporation AbにてAPAC(Asia Pacific)地域におけるプリセールス業務を主に担当。現在は主に日本を担当。
この執筆者の他の記事をよむ
Return Top